2012年3月16日金曜日

日々の備忘録 65

1年経って(日々の備忘録65)

黒澤明監督の代表作「七人の侍」。
若い方々はタイトルくらいはご存知かもしれませんが,最初からご覧になるということはあまりないかもしれませんね。
野武士にしょっちゅう襲われる貧しい農村。
そうだ,用心棒の侍を雇って退治してもらおう!

ご褒美は「白い米を腹いっぱい食べさせてやること」

道行く侍たちはそんな貧農の願いなど,ほとんど取り合わないのですが,1人,2人と意気に感じる侍達が現れて,,,といった感じで始まります。

農村にとって白い米は,自分達が食べる食料ではなくて「商品」でもあり「現金」と同じなんです。

戦いのシーンが凄い,とよく話題になりますが,時代設定,ストーリー展開の練り込みと,農民と武士の間でゆれる菊千代(勝新太郎さん)の心の動きもぜひ見ていただければと思います。


それと,今でも脳裏に焼きついている特撮「帰ってきたウルトラマン」。
僕はたしか幼稚園くらいの頃でしたでしょうか。
特に「怪獣使いと少年」のエピソードは忘れられません。。。
ネットで検索していただければ,いろいろな方がコメントされているので,特に申しませんが,
いつも「宇宙人」呼ばわりされ,いじめに遭っている少年が,病に伏したメイツ星人に食べさせようとお粥を作るんですが,いじめっこ集団に,そのお粥をひっくり返されるんです。
むごいです。
でも,日本人ならこの感情,みな心に眠っている何か,きっとこの回を見た人なら何かが心に刺さります。


故郷の食べ物や野菜を棄てる人,いますね。

実際,食べたくないという感情,わかります。

今回の風潮の中でも,
「へ~,福島のおみやげ?遠慮なくいただくよ!」と言って喜んでその場で食べてくださった方々もいれば,
僕のいない合間にどこかに「なくなっていた」こともありました。
僕に対して,何か悪意があるということではないのでしょうが,そういう気持ちが芽生えることは,個人の努力ではなんともしがたいです。
正直,無力です。


お袋は,もう年もいっているせいか,線量とかのことなんかお構いなしです。
「歳も歳だし,何食べても別に変わんないよ」

故郷の人々は,よく田舎の食べ物を送ってくれたり,帰省の帰りにお土産を持たせてくれますよね。
そこに愛情こそあれ,悪意のかけらはありません。
「こんな時勢に,よくそんな無神経な・・・」
と,感じる方は確かにいる,と思います。

僕だって,家には幼児がいますから,食べ物に神経を使うことは否めません。

しかし,田舎の親や先人にとって,食べ物は「現金(財産)」と同じ,「生きる糧」であると教えられた世代にとって,食べ物を贈ることは「おもてなし」なのです。

そこに悪意はありません。

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